肩があがらないに関する症例
肩の痛みがインナーマッスルのアンバランスと関係しているケース
この症状は、慢性的で左腕をまわした時に気になる。 また、肩こりも数年前からあり、デスクワークにより悪化する。
昔、中学・高校時代、部活動でテニスをやっていた。
腕や手への痺れなどはみられない。
検査では、肩関節の外転・外旋の動きが制限されており、肩を内外側へ回す筋肉が硬く、その中でも外側へまわす棘下筋が痛みを起こしており、内側へまわす肩甲下筋の力の入りづらくさがみられた。
そのため、施術では肩関節の内外へまわす筋肉のアンバランスと肩関節に対してアプローチをおこなった。
肩後面の痛みは2回の施術で検査所見の改善がみられ症状はなくなった。
慢性的な肩こりについては5回目の施術では大きく改善されていた。
回旋腱板(ローテーターカフ)
ローテーターカフとは、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋の4つの筋肉の総称であり、肩関節を安定させる働きを持つインナーマッスルです。
肩甲骨から上腕骨へ水平に付着するため、肩をまわす動作や上げ下げの動作時に重要な働きをするのですが、長時間のPC作業等で肩を同じ姿勢で維持する場合などでこれらの筋肉がアンバランスとなり、結果、肩の運動時に痛みを起こすということが多くみられます。
野球のピッチャー等に見られる、首、肩の痛み、腕のしびれ
以前から違和感はあったが」、2ヶ月前から投げた後に首と右肩の痛み、腕のしびれを強く感じるようになった。
整形外科を受診し、X線を撮影したが異常はみられなかった。
検査は、神経学検査では触覚・痛覚・反射・筋力すべて正常。
右小円筋と三角筋の緊張が強く押圧時と右肩関節の外旋・外転時に症状が誘発された。
野球肩に対するカイロプラクティックアプローチ
治療では、緊張の強い筋肉への緩和操作後、右肩関節と頚椎に対してアプローチを行った。
治療経過は3回の施術で症状は軽減、4回目ではキャッチボールを長くやった時のみでてくる状態まで改善。
四辺形間隙症候群
四辺形間隙症候群は、首からでている腋窩神経の絞厄障害(神経が挟まれる)である。
四辺形間隙とは小円筋・上腕三頭筋長頭・上腕骨・大円筋で囲まれている部分のことをいい、この間を腋窩神経が通る為、野球やボート競技のような腕を使う運動選手に多くみられます。
肩を挙げる筋肉の働く順番の狂いによる右腕の異常
38歳男性が右腕の麻痺を訴えて来院された。
この症状は1ヶ月前位に病院で筋肉を緩める注射を打ってから始まったという。
最初は時間がたてば肩が上がると説明をうけたが、一向によくならず他の病院でMRIを撮った所『頚椎5番のヘルニア』と診断を受けた。
まず神経学検査で反射、感覚、筋力などを検査した所、特に異常はなく、ヘルニアを疑う検査も全て陰性でした。
しかし、腕を上げる際に筋肉の働く順番が違うため、腕をうまく使えていない事が検査でわかりました。
この為、治療としては筋肉の再教育をおこなっていきました。5回の治療で最初30°しかあげれたかった腕が120°まであがるようになり、今も週1回の治療を継続中です。
-肩甲上腕リズム-
これは、肩をあげる際の関節、筋肉の機序をいうものです。
つまり筋肉の働く順番、関節の動く順番の事を指します。
人間の動き(バイオメカニクス)は、全て緻密に計算された代物です。
しかし、何かのきっかけで一つが崩れてしまうと、この方の様に肩を動かせなくなるまでになるわけです。
カイロプラクティックはただ単に硬い関節や硬い筋肉にアプローチするだけでなく、それらのバランスをとっていきま
す。
四十肩(肩関節周囲炎)による肩の痛み
この痛みは 2 週間前から始まり、仕事で重いものをたくさん持って、次の日の朝に痛みが強く上がらなかったという。病院にいきX線をとったが特に問題はなく『四十肩』と診断された。
検査をしてみると肩の動きほとんどが制限されている状態で、動かすと痛みを訴えていました。
この為、最初は物療により痛みを緩和させその状態で筋肉のバランスをとり、肩関節に動きをつけていきました。この方は結局 5 回の治療で劇的に変化し、改善されました。
-五十肩、四十肩-
実際の所、五十肩、四十肩という言葉自体が存在しません。
本当の名前は『肩関節周囲炎』と言います。
肩の周りには、関節、筋肉、靱帯などがありこれのどこかが炎症を起こす事を言います。
しかし、靱帯や筋肉は肩の周りにはたくさんあり、そのどこが炎症をおこしているのか特定する事が非常に重要になってくるのです。
この場合、関節を動かす事が改善される近道となります。