カイロプラクティックと整体はよく混同されがちですが、カイロプラクティックはアメリカで生まれ、西洋医学を基に発展してきました。そのおかげで科学的・医学的根拠を積極的に取り入れ、手技療法の中で唯一、客観的な評価に耐えうる検査・治療法を確立してきましたが、よくお見かけする東洋的なものや日本独自の整体では治療の客観性がほぼ検証されていません。その為に検査・治療がどうしても一貫性のない傾向があります。それどころか施術する際に検査が全く行われない場合もあるようです。
日本にはカイロプラクティックが法制化されていない為に、整体師やマッサージ師が自由にカイロプラクティックの技術を取り入れて施術を行っている現状もあり、これが混同されてしまう要因の一つでもあります。
また物事において科学的根拠を見出すためには、研究がなされ、学問として確立されなければなりません。科学的根拠があるカイロプラクティックには学問が存在し、世界各地で教育がおこなわれています。
その基盤にあるのは『哲学』、『技術』、『科学』という3つの核です。これらが集まることで初めてカイロプラクティックが成り立ちます。これに対して整体は科学的根拠がなく『科学』、『哲学』から『技術』だけが独り歩きをし、それが師から弟子に対する伝承でしかなく、一貫性が見受けられず、流派というものも多岐にわたります。
これらのことを踏まえるとカイロプラクティックがいかに安全で根拠がある手技療法であるかがお分かりになるかと思います。
だからといって、カイロプラクティックが完全に西洋的思想なのかというとそういう訳ではありません。西洋医学には根拠や客観性がありますが、症状ばかりを追いがちになってしまい人間そのものを見る事が少なくなり薬や手術の代償をあまり考えない傾向があります。カイロプラクティックでは痛みや症状が出た原因やその背景に何があるかという「全体」を考慮しつつ、自然な力で回復を促すという東洋的な考えも取り入れています。
施術内容が整体と似ていることもありますが、目的や背景にはこうした違いがはっきりとあるという事がお分かりになったでしょうか。